HOME > ニュースページ > 安全保障&軍事 > 詳細

中国の“機密法”の落とし穴

2011年05月10日
 
【新唐人日本2011年5月11日付ニュース】2001年に中国当局から”国家機密漏えい“の疑いで、13年判決を受けた、朝鮮戦争問題専門家・徐澤栄さんの釈放がうわさされています。多くの学者や専門家を陥れた、中国の”機密法“。その落とし穴は至る所にあるといわれています。
 
香港市民の徐澤栄さんは、オクスフォード大学の政治学博士。朝鮮戦争問題の専門家でもある徐さんは、2000年7月、“国家機密漏えい”容疑で中国当局に提訴され、翌年12月に13年の判決を受けました。
 
ボイスオブアメリカによると、今年6月に釈放される可能性が現れました。長い間、この案件は国際社会で注目され、多くの学者や非政府組織などが、中国当局に徐さんの釈放を求めてきました。
 
高官の家庭に生まれた徐さんは、ハーバード大学とオクスフォード大学で政治学を専攻。後に香港で学術研究と出版業に従事。逮捕時は広州社会科学院の客員教授、広州中山大学の副研究員を務めていました。
 
提訴の理由は、徐さんが友人から得た、50年前の朝鮮戦争に関する共産党内部資料を韓国の研究者に渡した疑いです。
 
 
カナダの“漢和インフォメーションセンター”の平可夫編集長は、欧米なら一般の軍事愛好家でさえ知っていることでも、中国では機密扱いされるといいます。当局の機嫌を損ねた人は、決まって“国家機密漏えい”の 罪が着せられます。徐さんの場合、渡したのは50年も前の資料なので、さらに不可解だといいます。中国には至る所に落とし穴があると強調します。
 
 
一方、中国の“機密法”に基づくと、国家の極秘機密の時効は30年、機密は20年、秘密は10年。徐さんが手に入れた朝鮮戦争の資料は50年前のものなので、当時は極秘だったとしても、とっくに時効になっているのです。しかし、当局は徐さんに罪を着せるため、広州軍区に国家機密の証明まで出させました。
 
香港の雑誌“開放”の金鐘編集長は、徐さんが罪を着せられた真の原因は、香港の雑誌にマレーシア共産党を暴露する文章を発表したからだと述べました。文章は、中国共産党がマレーシア共産党を支持した内幕を暴露したのでした。
 
香港雑誌『開放』編集長 金鐘
「最大な原因は彼が“亜洲週刊”に文章を発表し、マレーシア共産党が湖南省益陽地区の山で秘密無線電波基地をやっていた事を暴露、それまでは誰も知らなかったし、報道もなかったのです」
 
また、中国が機密法を濫用するのは、共産党が偏見とコンプレクスの塊である証拠だと強調。
 
徐さん以外にも、このいわゆる“機密法”による被害者は数え切れません。近年だけでも、上海の鄭恩寵弁護士や香港“文匯報”の姜維平記者、湖南の師涛記者、シンガポール“海峡時報”の程翔記者、共産党の腐敗を暴いた譚作人さんなど。
 
北京の“経済学週報”の元副編集長を務めた高瑜さんも、かつて“国家機密漏えい”の罪で6年の判決を下されました。ボイスオブアメリカに対し、現在、大陸のジャーナリストはみな強い危機感を持っており、報道の自由はますます悪化し、80年代よりも後退していると述べました。
新唐人テレビがお伝えしました。
 
(中国語)
 

トップページへ